同じマンション内の引越し費用はいくら?自力・業者の違いと手続きを解説

公開日: / 最終更新日: カテゴリー:引越し料金・見積もり
引越し同じマンション料金

同じマンション内で別の部屋へ引っ越す場合、「移動距離が短いから、費用もかなり安くなるのでは?」と考える方も多いでしょう。

結論として、荷物が少なければ自力で引っ越すことで費用を抑えられますが、大型家具・家電がある場合は引越し業者へ依頼するのがおすすめ。

業者に依頼する場合、トラックでの長距離移動が不要でも、人件費や共用部分の養生などに費用がかかるため、必ずしも格安になるとは限りません。

また、同じマンション内の引っ越しでも、住所変更やライフラインの手続き、管理会社への連絡などが必要になる場合があります。

この記事では、同じマンション内の引っ越しにかかる費用相場を、自力で行う場合と業者へ依頼する場合に分けて解説します。

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目次

同じマンション内の引越し2パターン

同じマンション内の引越し2パターン

同じマンション内での引越しは、賃貸と分譲で手続きも費用も大きく異なります。

「どちらのケースか」によって、この先に必要な行動がまったく変わってくる。

まず自分の状況を正しく把握することが、すべての出発点です。

賃貸から同じマンション内の別の部屋へ移る場合

賃貸での同じマンション内引越しは、コストをどこまで抑えられるかが最大のテーマです。

「同じ建物内なのだから、費用も手続きも簡単なはず」と思いがちですが、実際には新しい部屋の契約に伴う敷金・礼金・仲介手数料が原則として発生します。

引越し費用だけでなく、こうした初期費用も含めた総コストを見積もることが重要です。

また、現在の部屋の退去と新しい部屋への入居のタイミングをどう合わせるかも、賃貸特有の課題。

退去予告の期間(多くの契約で1〜2ヶ月前)と新居の入居可能日がずれると、家賃の二重払いが発生してしまいます。

管理会社との交渉次第で初期費用が変わる可能性もあるため、早めに動いて選択肢を広げておくことが得策です。

分譲マンションで同じマンション内に住み替える場合

分譲マンションでの同じマンション内住み替えは、売却と購入を同時に進める資産管理がテーマになります。

賃貸とは課題の性質がまったく異なります。

現在の部屋を売りながら、新しい部屋を買うという手順では、住宅ローンの残債と新たな購入ローンを同時に抱える「ダブルローン」のリスクが生じる可能性があります。

売却と購入のタイミングをどう設計するかが、資金計画の核心です。

さらに、管理組合への届出や管理費・修繕積立金の切り替えなど、賃貸にはない手続きも発生します。

意思決定の複雑さと手続きの多さから、専門家(不動産会社・税理士など)との連携が欠かせません。

「同じマンション内だから楽だろう」という感覚は、分譲の場合には特に禁物です

同じマンション内の引越し当日の流れ

同じマンション内の引越し当日の流れ

引越し当日は、段取りの良し悪しで作業時間と近隣への影響が大きく変わります。

業者に依頼する場合と自分で行う場合、それぞれの流れを確認しておきましょう。

業者に依頼する場合のステップ

STEP 1|業者到着前に養生の準備を確認する

業者が到着する前に、管理会社への連絡・エレベーターの使用予約・駐車場所の確保が済んでいることを確認しましょう。

業者が来てから「許可が取れていない」と発覚すると、作業開始が大幅に遅れます。

STEP 2|業者と作業内容・養生範囲を確認する

作業開始前に、廊下・エレベーター・エントランスのどの範囲を養生するか、養生材は業者が用意するかを口頭で確認します。

搬出入の経路(廊下の幅・エレベーターの内寸・非常階段の使用可否)も伝えておくとスムーズです。

STEP 3|旧居の搬出前に写真を撮る

荷物を運び出す前に、旧居の壁・床・建具の状態を写真で記録しておきます。

退去時の原状回復トラブルを防ぐための重要な証拠になります。

STEP 4|搬出・搬入作業

業者の指示に従い、旧居からの搬出と新居への搬入を進めます。

同じマンション内では旧居と新居の両方に立ち合いが必要になるため、可能であれば2人で対応できると作業がスムーズです。

STEP 5|搬入完了後に養生を撤去・共用部を清掃する

作業が終わったら、廊下・エレベーター・エントランスの養生材を撤去し、共用部に汚れや傷が生じていないかを確認しましょう。

問題があれば業者と確認してその場で記録しておきましょう。

STEP 6|旧居の最終確認と鍵の返却

荷物がすべて運び出されたことを確認したうえで、旧居の設備(水道・ガス・窓の施錠)を点検しましょう。

退去立会いは引越し当日、荷物を運び出した後に管理会社の担当者と部屋の状態を確認してください。

立会い完了後に鍵(スペアキーを含む)を返却するのが一般的な流れです。

自分で行う場合のステップ

STEP 1|養生の設置

作業開始前に、廊下・エレベーター・エントランスを毛布や養生シートで保護します。

管理規約で養生が義務付けられているマンションが多いため、省略は厳禁です。

STEP 2|旧居の搬出前に写真を撮る

業者に依頼する場合と同様に、搬出前に旧居の状態を写真で記録しておきます。

STEP 3|小物・ダンボールから順に搬出する

台車を使って、ダンボールなど小さな荷物から先に運びます。

大型家具・家電は最後に搬出できるよう、旧居での配置を事前に計画しておくと効率的です。

STEP 4|大型家具・家電の搬出・搬入

冷蔵庫・洗濯機・ベッドなどの大型品は、エレベーターの内寸に収まるかを事前に確認したうえで運びます。

無理に運ぼうとすると共用部を傷つけるリスクがあります。不安な場合は大型品だけ業者に依頼する方法も検討してください。

STEP 5|新居への搬入と家具の配置

新居に運び入れながら、事前に決めた家具配置に合わせて配置します。

後から動かすと床を傷つけるリスクがあるため、最初の配置をできるだけ正確に行いましょう。

STEP 6|養生の撤去と共用部の清掃

すべての搬入が終わったら、養生材を撤去し、廊下・エレベーター内を清掃します。

作業中に汚れや傷が生じた場合は、管理会社に早めに連絡してください。

STEP 7|旧居の最終確認と鍵の返却

業者依頼の場合と同様に、旧居の設備を確認し、退去立会いのタイミングで鍵を返却します。

同じマンション内で引越しする方法

同じマンション内で引越しする方法

「同じマンションの別の部屋に移りたい」と思い立っても、すぐに業者を探したり荷造りを始めたりするのはやめましょう。

まず確認すべきことは、空室の有無、管理規約による制限、そして退去・売却のタイミング。

この3点を最初に押さえておかないと、計画が途中で根本から変わることになります。

空室があるかどうかを確認する

最初にやることは、希望の部屋が空いているかどうかの確認です。

階数・間取り・方角など、希望する条件を整理したうえで、管理会社または大家さんに直接問い合わせましょう。

実は、SUUMOやHOME’Sといった一般の募集サイトに掲載されていない空室が存在することがあります。

管理会社が「次の入居者を探す前に、既存の住民に声をかけたい」と考えているケースもあるため、サイトで見つからなかったからといってあきらめるのは早いです。

問い合わせの際は、「現在の部屋に住んでいる入居者として、同じマンション内の別の部屋への移転を希望している」と明確に伝えることが大切。

既存の入居者からの相談として受け取ってもらえると、話がスムーズに進みやすくなります。

規約や契約内容で制限される場合がある

空室があったとしても、すぐに契約できるとは限りません。

マンションによっては、同一人物が同じ建物内で複数の部屋を同時に契約することを禁じている規約が存在します。

これは投機的な部屋の抑え込みを防ぐための規定ですが、住み替えを目的とする場合でも適用されることがあります。

UR都市機構(旧・都市再生機構)などの公的住宅では、一般的な賃貸とは手続きの流れが異なる場合があります。

一般の賃貸マンションとは手続きの流れが異なるため、事前に管理規約や契約書の該当箇所を確認しておきましょう。

「できると思っていたのにできなかった」という事態を防ぐために、この確認は計画の一番最初に行うべきです。

賃貸の場合:退去予告期間を考慮して早めに相談する

賃貸での同じマンション内引越しで、最も見落とされがちなのが「退去予告期間」の問題です。

多くの賃貸契約では、退去の1〜2ヶ月前に管理会社へ通知する義務があります。

この予告を出す前に新しい部屋の契約が決まってしまうと、旧居の家賃と新居の家賃を同時に支払う「二重払い」の期間が発生します。

たとえば、退去予告期間が2ヶ月の契約で、新居の入居日が1ヶ月後に決まった場合、残り1ヶ月分の旧居家賃が余分にかかります。

家賃が8万円なら、それだけで8万円の余分な出費です。

こうした事態を避けるには、「新しい部屋に移りたい」という意向を管理会社に早めに伝え、退去日と入居日の調整を一緒に進めてもらうことが得策です。

同じ管理会社が両方の部屋を管理しているなら、融通が利く場合もあります。

分譲の場合:同じマンション内に空き部屋があることを確認する

分譲マンションでの住み替えは、賃貸とは確認先が異なります。

まず、同じマンション内で売り出し中の部屋が存在するかどうかを、不動産会社または管理組合に問い合わせましょう。

分譲の場合、各部屋の所有者が個別に売却を決めるため、希望の条件(広さ・階数・方角など)に合う部屋がちょうど売り出されているとは限りません。

タイミングが合わなければ、希望の部屋が出るまで待つ必要があります。

「いつ頃、どんな部屋が出やすいか」という情報は、そのマンションの取引実績を持つ不動産会社が把握していることが多いため、早めに相談しておくと動きやすくなります。

同じマンション内の引越し費用の相場

同じマンション内の引越し費用の相場

「トラックが不要だから安いはず」という期待と現実のギャップが最大の混乱ポイントです。

料金の内訳を正しく理解することで、見積もりの妥当性を自分で判断できるようになります。

同じマンション内の引越しでも、費用は決してゼロにはなりません。

移動距離がほぼゼロであっても、作業員の手間や共用部の養生には確実にコストが発生します。

「なぜこんなに高いのか」と感じる前に、料金の構造を把握しておきましょう。

荷物の量・間取り別の費用相場

同じマンション内の引越しでも、荷物の量によって費用は大きく変わります。

距離がゼロでも人件費は発生するため、通常の引越しより大幅に安くなるわけではありません。

以下は、荷物量・間取り別の費用相場の目安です。

間取り・荷物量の目安費用相場(目安)作業員数の目安
単身・荷物少なめ(1R〜1K)15,000円〜35,000円1〜2名
1LDK程度30,000円〜60,000円2名
2LDK程度50,000円〜90,000円2〜3名
3LDK以上80,000円〜150,000円以上3〜4名

これはあくまで目安であり、時期・業者・養生の範囲によって変動します。

「単身だから1万円以下で済む」という期待は、残念ながら現実とかけ離れていることがほとんどです。

作業員が2名で3時間かかる場合、人件費だけで相応の金額になります。

移動距離がゼロでも、「人が動く時間」は変わりません。

この事実を最初に受け入れておくことが、見積もりを冷静に判断する第一歩です。

同じマンション内の引越し費用を複数社で比較してみる

上の相場はあくまで目安です。同じマンション内の引越しでも、業者によって料金は大きく変わります。

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料金の内訳:人件費・養生費など「見えないコスト」の正体

「なぜこんなに高いのか」という疑問の答えは、料金の内訳を見れば明確になります。

同じマンション内の引越しでも、以下のコストは必ず発生します。

  • 人件費:引越し業者の作業員は基本的に時間制(4〜8時間単位)で計上され、1名あたりおよそ1万〜1万5千円程度のコストが目安となります。
  • 養生費:共用廊下・エレベーター内壁・エントランスを傷つけないよう、毛布やシートで保護する作業です。

マンションの管理規約で義務付けられているケースも多く、省略できません。

  • 梱包資材費:ダンボール・テープ・緩衝材などの費用。

業者によっては別途請求されます。

  • エレベーター使用料:管理組合への申請や、養生のための追加費用が発生する場合があります。
  • 出張費・車両費:近距離でも車両の手配コストはかかります。

これらを合計すると、「移動距離ゼロ」であっても、通常の近距離引越しと大きく変わらない金額になることが多いのです。

料金の大部分を占めるのは「人が動く時間」と「建物を守る養生」。

この2点を理解しておくだけで、見積もり書を受け取ったときの驚きが、納得に変わります。

時期や曜日による料金の変動

同じマンション内の引越しでも、時期と曜日の選び方で費用は大きく変わります。

繁忙期と閑散期では、同じ作業内容でも料金が1.5〜2倍近く異なることがあります。

料金が上がりやすい時期・曜日

  • 3月〜4月(引越し繁忙期)
  • 土曜・日曜・祝日
  • 月末・月初(契約更新が集中するタイミング)

料金が下がりやすい時期・曜日

  • 5月〜2月の平日(特に6〜8月の夏場以外)
  • 火曜〜木曜の午後
  • 月の中旬

たとえば、3月末の土曜日に依頼した場合と、6月の平日に依頼した場合では、同じ作業内容でも数万円の差が出ることがあります。

同じマンション内の引越しは「いつでもできる」という柔軟性があるぶん、時期の調整が費用削減につながります。

仕事の都合がつくなら、平日の閑散期を狙うだけで、費用を大きく抑えられる可能性があります。

業者に依頼するか自分でやるか

「業者に頼むか、自分で運ぶか」

この判断は「荷物の量」「体力」「リスクへの許容度」の3つで決まります。

業者に依頼する場合

  • 養生・梱包・搬出・搬入をすべて任せられる
  • 共用部の傷や破損リスクを業者が負担する
  • 費用は発生するが、時間と体力を節約できる
  • 大型家具・家電がある場合は特に安心

自分で行う場合

  • 費用を大幅に抑えられる(台車レンタル代程度で済む場合も)
  • 台車の確保・養生材の準備・エレベーターの予約が必要
  • 共用部を傷つけた場合の責任は自分が負う
  • 荷物が少なく、体力に自信がある場合に向いている

注意したいのは、「自分でやれば無料」ではないという点です。

台車のレンタル費用、養生材の購入費、エレベーターの予約手続きなど、手間とコストは確実に発生します。

また、共用部を傷つけた場合の修繕費は自己負担になるリスクもあります。

荷物が1LDK以上ある場合や、大型家具・家電が含まれる場合は、業者への依頼を検討する必要があります。

「安く済ませたい」という気持ちは当然ですが、リスクとのバランスで判断しましょう。

とはいえ、「荷物の量」「体力」「リスクへの許容度」のバランスは人によって違うため、実際に自分がどちらに向いているのか、判断に迷う方も多いはずです。

いくつかの質問に答えるだけで、自力と業者どちらが自分に合っているか、業者に頼む場合はどんなプランが向いているかを診断できます。

まずは自分のタイプを把握したうえで、この後の費用削減策を検討すると判断がスムーズです。

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② 近距離専用プランを活用する

大手引越し業者の多くは、単身・少量向けの近距離プランを用意しています。

通常の引越しプランより割安に設定されていることが多く、同じマンション内の引越しにも適用できる場合があります。

見積もり時に「近距離プランはありますか」と確認してみましょう。

③ 荷物を事前に処分・減らす

引越し前に不用品を処分することで、作業員の人数や作業時間を減らせます。

荷物が減れば、それだけ人件費も下がります。

フリマアプリや不用品回収サービスを活用して、荷物を最小限にしてから見積もりを取るのが理想的です。

④ 自分でできる作業を分担する

梱包作業を自分で済ませておくことで、業者の作業時間を短縮できます。

「梱包なし・搬出搬入のみ」で依頼すると、費用が下がるケースがあります。

業者に依頼する範囲を明確にして、見積もり時に伝えましょう。

⑤ 時期・時間帯を調整する

前述のとおり、平日・閑散期・午後の時間帯は料金が下がりやすい傾向があります。

引越し日の柔軟性があるなら、業者に「料金が安くなる日程はいつですか」と直接聞いてみるのも有効です。

これら5つを組み合わせることで、費用を数万円単位で抑えられる可能性があります。

「同じマンション内だから簡単に済む」と後回しにせず、早めに動くことが、結果的に費用と手間の両方を節約することにつながります。

【賃貸マンション編】引越し手続きのポイント

【賃貸マンション編】引越し手続きのポイント

賃貸での同じマンション内引越しは、退去と入居の手続きを同時並行で進める必要があります。

管理会社との交渉次第で初期費用が変わることもあるためです。

管理会社へ空室状況の確認と意向を伝える

まず動くべき相手は、管理会社です。

「同じマンションの別の部屋に移りたい」という意向を早めに伝えることで、一般の募集サイトにまだ掲載されていない空室情報を教えてもらえる場合があります。

希望する階数・間取り・方角などの条件を具体的に伝えておくと、条件に近い部屋が出たときに優先的に連絡してもらいやすくなります。

同じ管理会社が建物全体を管理している場合、退去と入居の手続きを一本化できることもあります。

窓口が一つにまとまると、日程調整や書類のやり取りがぐっとシンプルになります。

まずは電話一本、早めに動くことが、この引越しを有利に進める第一歩です。

敷金・礼金・仲介手数料の有無を確認する

「同じマンション内だから初期費用は安くなるはず」と思いがちですが、原則として新しい部屋の契約には敷金・礼金・仲介手数料が発生します。

これは、あくまで「別の部屋への新規契約」として扱われるためです。

ただし、管理会社との交渉や物件の条件によって、減額・免除になるケースもゼロではありません。

たとえば、長年同じマンションに住んでいる入居者であれば、礼金の免除や敷金の減額を交渉できる余地があります。

交渉の際は「現在の部屋での入居実績」を具体的に伝えることが有効です。

「〇年間、家賃の滞納なく住んでいる」という事実は、管理会社にとっても信頼できる入居者の証明になります。

交渉の結果は物件や管理会社によって異なりますが、確認せずに諦めるのはもったいないです。

鍵交換費用や更新料など別途発生する費用を確認する

敷金・礼金だけが初期費用ではありません。

新しい部屋の契約時には、以下のような費用が別途加算されます。

費用の種類目安備考
鍵交換費用15,000円〜30,000円セキュリティ上、ほぼ必須
火災保険料15,000円〜20,000円(2年分)加入が契約条件になることが多い
保証会社費用家賃の0.5〜1ヶ月分連帯保証人の代わりに利用
室内消毒・クリーニング費10,000円〜30,000円物件によって異なる

これらを合算すると、敷金・礼金とは別に5〜10万円程度の出費になることも珍しくありません。

契約前に「初期費用の全項目」を書面で確認し、想定外の請求が出ないようにしておくことが大切です。

新しい部屋の申込・審査・契約を進める

空室が確認できたら、通常の賃貸契約と同じ流れで手続きを進めます。

申込書の提出・入居審査・契約締結という順番は変わりません。

この段階で最も気を配るべきは、新しい部屋の入居日と現在の部屋の退去日のタイミング調整です。

入居日が退去日より早まれば家賃の二重払いが発生し、逆に退去日が先に来れば荷物の置き場に困ります。

理想は「退去日の翌日が入居日」ですが、審査や鍵の引き渡しのスケジュールによっては数日のズレが生じることもあります。

契約交渉の段階で「退去日に合わせて入居日を調整したい」と明確に伝えておくと、管理会社も日程を調整しやすくなります。

現在の部屋の解約手続きと退去日の調整をする

新しい部屋の契約と並行して、現在の部屋の解約手続きも進めます。

多くの賃貸契約では、退去の1〜2ヶ月前に書面で予告することが義務付けられています。

この期間を見落とすと、予告が遅れた分だけ家賃が余計に発生します。

退去予告を提出したら、管理会社と退去立会いの日程を決めます。

立会いでは、部屋の状態を確認し、原状回復の範囲と敷金の精算額が決まります。

日程調整で意識したいのは、以下の3パターンです。

  • 理想: 旧居の退去日=新居の入居日(家賃の重複ゼロ)
  • 許容範囲: 数日の重複(引越し作業の余裕を確保するため)
  • 避けたい: 退去後に入居日まで空白期間が生じる(荷物の仮置き場が必要になる)

同じマンション内の引越しは移動距離が短い分、引越し作業自体は短時間で終わります。

そのため、旧居と新居の日程を1〜2日重複させるだけで、余裕を持った引越しが可能です。

管理会社との交渉で「数日の重複を最小限にしたい」という意向を早めに共有しておくと、双方にとって動きやすくなります。

【分譲マンション編】引越し手続きのポイント

【分譲マンション編】引越し手続きのポイント

分譲マンションでの同じマンション内住み替えは、賃貸の引越しとは根本的に性質が異なります。

売却と購入を同時に進める必要があり、タイミングを誤るとダブルローンや売り急ぎという深刻なリスクに直面します。

手順を正しく理解してから動き出すことが、資産を守る第一歩です。

不動産会社への相談と査定依頼

まず動くべきは、現在の部屋の売却査定です。

「いくらで売れるか」を把握しなければ、次の部屋の購入予算が決まらないからです。

査定を依頼する際は、同じマンション内での取引実績がある不動産会社を選ぶことを強くおすすめします。

同じ建物の過去の売買事例を豊富に持つ会社は、相場感が正確で、管理組合との連携もスムーズです。

「このマンションで何件成約しましたか?」と直接聞いてみましょう。

査定は1社だけでなく、最低でも2〜3社に依頼してください。

査定額は会社によって数百万円単位でばらつくことがあります。

複数の査定を比較することで、相場の実態が見えてきます。

住宅ローンの事前審査と資金計画

分譲住み替えで最も注意が必要なのが、ダブルローンのリスクです。

現在の部屋の住宅ローン残債が残っている状態で新しい部屋を購入すると、2本のローンを同時に抱えることになります。

毎月の返済負担が一時的に倍近くなるため、資金計画を事前にしっかり設計しておく必要があります。

ダブルローンを避けるための基本的な考え方は、「売却先行」か「購入先行」かを明確に決めることです。

方式内容リスク
売却先行現在の部屋を売ってから新しい部屋を購入する仮住まいが必要になる場合がある
購入先行新しい部屋を先に購入し、後から現在の部屋を売る売却が長引くとダブルローンが続く
同時進行売却と購入の引き渡し日を合わせるタイミング調整が難しい

住宅ローンの事前審査は、物件を決める前に動き出すのが鉄則です。

審査結果によって購入できる価格帯が変わるため、「買える部屋」の範囲を先に把握しておくことで、無駄な交渉を避けられます。

売買契約の締結

現在の部屋の売却契約と新しい部屋の購入契約、この2つの契約を締結する段階です。

ここで最も重要なのは、引き渡し日と入居日のタイミングを合わせることです。

たとえば、現在の部屋の引き渡しが3月末、新しい部屋への入居も3月末にそろえられれば、仮住まいのコストはゼロになります。

一方、1ヶ月でも空白が生じると、仮住まいの家賃・引越し費用が二重にかかります。

仮住まいが1ヶ月必要になった場合、家賃10万円+引越し費用が2回分で、追加コストは20〜30万円規模になることも珍しくありません。

売却側と購入側の双方の契約日程を調整するには、不動産会社が間に入って交渉することになります。

「引き渡し日を合わせたい」という希望を、契約交渉の段階で明確に伝えておきましょう。

管理組合への届出と引越し準備

分譲マンションでは、住み替えに際して管理組合への届出が必要な場合があります。

具体的には、区分所有者の変更届や、引越し作業の事前申請などが該当します。

マンションごとに規約が異なるため、管理組合または管理会社に早めに確認しておきましょう。

あわせて確認しておきたいのが、管理費・修繕積立金の切り替え手続きです。

旧居の精算と新居分の支払い開始を、引き渡し日に合わせて管理組合に届け出ます。

この手続きを忘れると、旧居分の管理費を引き続き請求されるトラブルにつながることがあります。

駐車場・駐輪場の契約も部屋単位で切り替えが必要です。

新しい部屋に空きがない場合は、外部の駐車場を探す必要が生じることもあるため、早めに空き状況を確認しておきましょう。

住宅ローン控除を受けるための確定申告

新しい部屋で住宅ローン控除を継続して受けるには、入居した年の翌年に確定申告が必要です。

また、控除を受けるための床面積要件や所得要件があるため、事前に確認しておきましょう。

税務上の手続きは、誤りがあると後から追徴課税が発生するリスクがあります。

売却益の有無にかかわらず、税理士や司法書士への相談を一度検討することをおすすめします。

同じマンション内で引越すときの注意点

同じマンション内で引越すときの注意点

同じマンション内の引越しは、通常の引越しとは異なる特殊な作業環境がともないます。

業者選びと事前の段取りを丁寧に行うことが重要です。

管理会社・大家さんへの事前連絡を忘れずに

業者を手配する前に、まず管理会社か大家さんへの連絡を済ませましょう。

引越し日時・搬出入の経路・エレベーターの使用予定を伝え、必要な許可を取っておきましょう。

マンションによっては、引越し作業の事前申請が管理規約で定められている場合があります。

無断で作業を始めると規約違反となり、後から管理組合とのトラブルに発展することも。

連絡のタイミングは、引越し日の2〜3週間前が目安です。

業者の手配と並行して動くのではなく、管理会社への確認を先に済ませてから業者探しに入ると、作業条件(養生の範囲・エレベーターの使用可能時間など)を業者に正確に伝えられます。

複数の業者から相見積もりを取る

同じマンション内の引越しでも、業者によって料金は大きく異なります。

最低3社から見積もりを取ることを強くおすすめします。

近距離・少量向けの引越しは、業者ごとに対応プランや料金体系が異なります。

1社だけで決めると、相場より割高な金額を払ってしまうリスクがあります。

見積もりを比較することで、自分の荷物量と条件に合った適正価格が見えてきます。

見積もりを依頼する際は、以下の情報を事前に整理しておくと話がスムーズに進みます。

伝えるべき情報具体的な内容の例

  • 現在の部屋と新しい部屋の番号301号室 → 501号室 など
  • 荷物の量・間取り1LDK・段ボール20箱程度 など
  • 引越し希望日時平日・午後希望 など
  • エレベーターの有無・サイズ乗用エレベーター1基・奥行き150cm など
  • 管理規約の制限養生必須・作業時間は9〜17時 など

同じマンション内引越しで業者を選ぶ際に確認する

料金の安さだけで業者を選ぶのは危険です。

同じマンション内の引越しで特に重要なのは、共用部の養生に対応できる業者かどうかという点です。

確認すべき項目は以下の4つです。

確認項目確認のポイント見落とした場合のリスク
養生の実績と対応力廊下・エレベーター・エントランスなど共用部の養生を適切に行えるか壁や床を傷つけた際の修繕費用を請求される
近距離専用プランの有無近距離・少量向けの専用プランがあるか通常プランが適用され、割高な料金になる
作業員の人数荷物量に対して適切な人数が配置されるか作業時間が延び、追加料金が発生する
保険の内容家具や共用部を傷つけた場合の補償範囲はどこまでか損傷が発生しても補償が受けられない

「養生はどの範囲まで対応していますか?」と直接聞いてみることが、業者の対応力を見極める一番の近道です。

おすすめの業者プランの例

近距離・少量向けのプランを持つ業者として、以下の3社が参考になります。

業者・プラン名特徴
アートセッティングデリバリー「わたしの引越」単身や少量の荷物に対応した小口引越しプラン。荷物量に応じた柔軟な対応が特徴。
日本通運「単身パック当日便」荷物が少なく近距離の引越しに特化したプラン。作業員2名・2tトラック4時間チャーターのサービスで、料金は個別見積もり。
アート引越センター(梱包から搬入まで一括対応のプランあり)梱包・荷ほどきをすべて任せたい場合に向いている。プラン名称や内容は変更されることがあるため、見積もり時に確認を。

いずれも近距離・少量向けの設計になっていますが、同じマンション内の引越しへの対応可否や養生の範囲は業者によって異なります。

見積もり時に「同じマンション内の引越しです」と明示した上で、対応内容を確認するようにしましょう。

共用部分の養生と搬入・搬出経路の確認をする

同じマンション内の引越しで見落としがちなのが、共用部分の養生です。

廊下・エレベーター・エントランスの養生は、多くのマンションで管理規約により義務付けられています。

養生が不十分なまま作業を進めると、壁や床に傷がついた際の修繕費用を自己負担することになります。

業者と事前に「どの範囲を養生するか」「養生材は業者が用意するか」を確認しておくことで、当日のトラブルを防げます。

搬入・搬出経路についても、事前に確認しておくべき点があります。

  • 旧居から新居までの廊下の幅と曲がり角の有無
  • エレベーターの内寸(大型家具が入るかどうか)
  • 非常階段の使用可否(エレベーターが使えない場合の代替経路)
  • 経路の状況を業者に正確に伝えておくと、当日の作業がスムーズに
  • エレベーターの使用時間とルールの確認

引越し作業でエレベーターを占有する場合、管理組合の事前許可が必要なケースがあります。

当日になって「許可が取れていない」と発覚すると、作業が大幅に遅れる原因になりかねません。

事前に確認しておくべき内容は以下の3点です。

  • 使用可能な時間帯:多くのマンションでは引越し作業の時間帯を制限しています(例:平日9〜17時のみ)。
  • 養生の要否:エレベーター内の養生が義務付けられているかどうか。業者が対応できるかも合わせて確認しておきましょう。
  • 予約方法:管理組合や管理会社への事前申請が必要な場合、申請書の提出期限と手続き方法を確認してください。

エレベーターが1基しかないマンションでは、他の住民の利用と重なると待ち時間が発生することもあります。作業時間の見積もりには余裕を持たせておくと安心です。

トラックの駐車場所を確保する

「同じマンション内だからトラックは不要」と思いがちですが、荷物量によっては車両が必要になる場合があります。

事前に駐車場所を確保しておかないと、当日に業者が困ることになります。

確認しておくべき内容は以下のとおりです。

マンションの駐車場が使えるか:管理会社に一時駐車の許可を取りましょう。スペースのサイズ(トラックが入れるかどうか)も合わせて確認が必要です。

近隣の一時駐車スペース:マンション駐車場が使えない場合、近隣のコインパーキングや路上の一時停車が可能な場所を事前に調べておくと安心です。

搬出入口までの距離:駐車場所からエントランスまでの距離が遠いと、作業時間と費用に影響します。

駐車場所の確保は、業者への見積もり依頼と同じタイミングで動き始めると、当日の段取りが整いやすくなります。

自分で引越しを行う場合のチェックリスト

自分で引越しを行う場合のチェックリスト

自力で行う場合は、「準備不足による当日のトラブル」が最大のリスクです。

業者に頼まない分、養生・台車・エレベーターの手配をすべて自分で行う必要があります。

特に養生は、マンションの管理規約で義務付けられているケースが多く、怠ると管理組合から指摘を受けることも。

事前に規約を確認しておくことが欠かせません。

以下のチェックリストを当日までに確認してください。

【事前準備】

  • 管理会社・管理組合への引越し日時の連絡と許可取得
  • エレベーターの使用時間帯の予約(管理組合への申請)
  • 台車の確保(マンション備え付けの台車がある場合は使用可否を確認)
  • 養生材(毛布・段ボール・養生テープ)の準備
  • 廊下・エレベーター内の養生方法の確認

【梱包・搬出の計画】

  • 荷物の梱包完了(大型家具・家電は最後に搬出できるよう配置)
  • 搬出順序の決定(新居で最初に必要なものを最後に積む)
  • 搬入後の家具配置の事前確認(新居の間取り図に書き込んでおくと便利)

【当日の確認】

  • 養生の設置(廊下・エレベーター・エントランス)
  • 旧居の傷・汚れの確認(搬出前に写真撮影)
  • 搬入完了後の養生撤去と共用部の清掃
  • 旧居の鍵・設備の最終確認

台車は重い荷物の移動に欠かせません。

マンション備え付けのものがない場合は、ホームセンターでレンタルするか、引越し用の台車を事前に購入しておくと安心です。

同じマンション内の引越しでよくある質問

同じマンション内の引越しでよくある質問

同じマンション内の引越しは事例が少ないだけに、「自分の場合はどうなるの?」という細かい疑問が次々と出てきます。

ここでは、実際によく検索される疑問に絞って答えます。

Q. 同じマンション内の引越しでも、住所変更の手続きは必要ですか?

A. 必要です。

部屋番号が変わる以上、住民票の住所も変わります。

引越し後14日以内に、同じ市区町村の役所へ「転居届」を提出してください。

同じ建物内だからといって省略できる手続きではありません。

Q. 引越し費用は通常の引越しより安くなりますか?

A. 大幅には安くなりません。

移動距離がほぼゼロでも、作業員の人件費・共用廊下やエレベーターの養生費・梱包資材費は通常通り発生します。

単身・荷物少なめであれば費用を抑えやすいですが、「トラックが不要だから格安になる」という期待は、まず手放しておいたほうが現実に近い見積もりを受け取れます。

Q. 賃貸で同じマンション内に移る場合、敷金・礼金は免除してもらえますか?

A. 原則として発生します。

ただし、同じ管理会社が管理する物件であれば、交渉によって減額・免除になるケースもゼロではありません。

「必ず免除される」とは言えませんが、相談する価値はあります。

鍵交換費用・火災保険料・保証会社費用なども別途かかるため、初期費用の全項目を事前に確認しておくことが大切です。

Q. 管理会社や大家さんへの連絡は、いつするのがベストですか?

A. 引越し業者を手配するより前に連絡するのが正解です。

多くの賃貸契約では退去の1〜2ヶ月前の予告が必要なため、動き出しが遅れると家賃の二重払いが発生します。

また、引越し当日の作業についても、日時の連絡と必要な許可取りを事前に済ませておかないと規約違反になる場合があります。

Q. エレベーターは引越し作業中に自由に使えますか?

A. 自由には使えません。

引越し作業でのエレベーター占有には、管理組合の許可が必要なケースがほとんどです。

使用可能な時間帯・養生の要否・予約方法を、作業日より前に管理会社へ確認してください。

当日ぶっつけ本番で動こうとすると、他の住民とのトラブルに発展することもあります。

Q. 自分で荷物を運ぶ場合、養生はしなくていいですか?

A. 養生は省略できません。

廊下・エレベーター・エントランスの養生は、管理規約で義務付けられているマンションが多くあります。

業者に依頼しない場合でも、養生材の準備と適切な施工は自分で行う必要があります。

台車の確保・エレベーターの予約とあわせて、事前に段取りを組んでおきましょう。

Q. 分譲マンションで同じ建物内に住み替える場合、管理組合への届出は必要ですか?

A. 必要な場合があります。

住み替えの届出に加え、管理費・修繕積立金の精算と新居分の支払い開始手続き、駐車場・駐輪場の契約変更も管理組合へ届け出る必要があります。

売買契約の締結後、早めに管理組合へ確認を取るのが安心です。

Q. インターネット回線の手続きは、通常の引越しと同じですか?

A. 契約の種類によって異なります。

マンション全体で共用回線を使っている場合は、部屋番号の変更手続きだけで済むことがあります。

一方、個別契約の場合は移転手続きが必要で、工事に数週間かかることもあります。

引越し日が決まったら、早めに回線事業者へ確認の連絡を入れてください。

まとめ:同じマンション内の引越しは、早めの段取りが成功の鍵

同じマンション内の引越しは「近いから簡単」ではありません。

人件費・養生費・初期費用など、通常の引越しと変わらないコストが発生します。

賃貸なら退去予告のタイミング、分譲なら売却・購入の資金計画が最大の課題です。

業者選びは必ず複数社を比較し、養生対応や保険内容まで確認しましょう。

早めに動くほど選択肢が広がり、費用も抑えやすくなります。